<life>fool</life>

愚者の人生。

10/25 SASPLデモ スピーチ「30年後の未来を導くこと」


SASPL DEMO FINAL@shibuya 2014/10/25 - YouTube
※動画説明文から各スピーチへ飛べます。40:00~

 早いもので僕が東京に来てから3年が過ぎようとしています。3年前の僕はこの地渋谷に立つだけでオシャレになれると勘違いをしていました。

 3年前僕が上京してきた次の日に3.11の震災が起きました。入学式は中止になって大学の授業は5月からのスタートになりました。震災があってからすぐ、ここにいるすべての人達がおそらく「頑張ろう日本」「キズナ、日本」と叫んだはずです。でも今の僕たちの生活を、ちょっとだけ見返してみてください。震災のことなんてなかったかのような日常生活に僕たちは戻ってしまいました。TVをつけても、福島のことも避難民のことも何も報道されません。

 行き先の見えない不安から、街ではレイシストと言われる人たちが、東アジアの友人たちを、平気で、我が物顔で、罵るようになりました。気がつけば政権は、強い国になろうと足掻いています。頭の悪い僕ですが感じる、今の日本の不安に、僕らのおじいちゃんやおばあちゃんたちも不安だという風に叫んでいます。それはなんだろうっていう風に考えたときに、戦争を生き延びた彼らは、戦争があった時代、戦争に突入した時代の日本にとっても似てるって言うんです。一応僕は長崎出身ですし、大学でも一応アジア太平洋戦争を勉強してるので、彼らと話をする機会がたくさんあるんです。

 彼らと話をする中で、彼らが警鐘している注意点を一つまとめました。それは「国家のための国民」へと国が歩もうとしているのか、それとも「国民のための国家」として国が歩もうとしているのかという違いです。周知の通り、先の戦争では多くの日本人が国家のために死に、柱となりました。

 思い返せば3.11以後、僕たちは不安でしたが、不安だと口にすることができませんでした。それはなぜかというと、不安だと口にすると「この国はどうなってしまうんだろう」という漠然とした不安があったからです。この力はすごく、戦前の日本と同じ力が働いているように僕は感じます。

 僕らが今日声を上げている特定秘密保護法は、いったい誰のための法律なんでしょうか。あまりに多く残る不安要素から、採択の前からパブリックコメント、デモンストレーションなどを通じて、多くの人たちが反対の声を挙げました。しかし政府はその声なんて「ごく一部の国民の意見だ」といって切り捨てました。それでいて「これは国民のための法律だ」っていう風に言うんです。

 確かに軍事的な秘密は必要だと思いますし、国家にとっても秘密は必要です、それくらいは僕だって解ります。ただ、どのように、何が秘密なのか、それも秘密です、なんてこと言われたら僕らが不安になるっていうのは当然のことではないでしょうか、皆そうだよね?

 本当にこれは「国民のための国家」が作る法律なのでしょうか。もしも「国民のための国家」ではなくて「国家のための国民」として歩むための第一歩としての法律だったら、それだけは勘弁してくれ!って今日僕はここに叫びにきました。

 もしかしたら僕がこうやって、反対だとかそういう風に叫ぶことが、近い未来に、売国奴とか非国民とかそういう風に言われる時代が来るかもしんないし、それはもう来てるかもしれない。だとしたら俺は、喜んで売国奴になってやるし、喜んで非国民になってやろうという覚悟でここに立っています!

 僕は、震災のことだって、経済状況だって就職先があるかどうかだって、不安だってちゃんと口にして言いたいし、その不安をちゃんと国家に向けていいたい。ないものに、震災なんてなかったものにしたくない。震災のことをないがしろにした経済発展なんて欲しくないし「普通の国」になるための軍事力なんて欲しくない。ここまでやっきに経済発展を叫ばなくてはいけないのでしょうか。ここまでやっきに国防を叫ばなくてはいけないのでしょうか。今ある無駄を再分配すれば貧困層は助けられるんじゃないでしょうか。今ある外交の不安の原因を考えれば軍事力以外での平和を保てるのではないでしょうか。


 僕は時々こんなふうにむしゃくしゃして叫びたくなるような気持ちになるときがあるんです。すごく僕はいつもムカついてんです。でも今、僕は今日ここに立っていてとても幸せです。それはなぜなら、僕の目の前にこんだけ仲間がいるからです!ここにいる皆がやがて社会に立って、旅立って、それぞれの地で、僕らと同じような今、今日僕らがここでやってるようなことをやり始めたら、日本がよくなるヴィジョンしか僕には見えないんですよね!

 実は、今年の夏に被爆者のおじいちゃんで仲良しのやっさんって人から長崎弁でこういう風に言われたんです。
 「ああもうこん国は林田くんに任してもよかね」
 っていう風に言われたんですよ。僕は何となく
 「ああまあ別によかよ」
 みたいな感じに言ったんですけど、そんな「別によかよ」みたいな感じで言っちゃうくらい中途半端な気持ちだったんです。だってもう僕奨学金けっこう借りちゃってるから、働かなきゃいけないし。みたいな、そういう不安があって。でも、今僕は、今ここにやっさんはいないけど、やっさんに向けて思い切り叫びたい!やっさん、今から俺に任せて欲しい。僕にはこんだけの仲間がいるよ!


 来年は、先の戦争が終ってから70周年を迎えます。ここまで戦争が無かった、平和な日本だったのは、やっぱりやっさんたちみたいな先人たちのおかげだと思うんです。

 想像してみてください。30年後、今、ここにいる僕達の子どもたちが、100年間戦争をしなかったという祝いの鐘を、この地で響かせているというヴィジョンを!


 「国家のための国民」ではなくて「国民のための国家」として、確かに一歩を歩み出した今日この瞬間が、30年後の未来を導くことを信じて、僕のスピーチを終わりたいと思います。
 2014年10月25日、僕は特定秘密保護法に反対します!