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<life>fool</life>

愚者の人生。

『ザ・レイド』

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 ~あらすじ~

 マフィアと特殊部隊が闘う闘うアンド闘う。以上。

 

 大体こんな感じ。このあらすじとポスターと予告編だけで、ある程度は分かるんじゃないかなあ。この映画がどういう映画なのか。


予告編はコチラ。

 

 小難しいストーリー、人間関係、ありがちなサスペンス要素、そんなもん一切なし。とにかくシラッドという武術のかっこよさと強さ、これを用いれば最強のアクションが作れる!!!という制作側の熱意、それだけで出来た映画だと思った。かつてジャッキー・チェンブルース・リーに熱狂し、ベスト・キッドを観て修行を真似た少年たちへの最高のプレゼントみたいなもんです。全てのアクション映画ファンは必見だよ。

 

 インドネシアなんていうアジアの国からいきなりでてきた本作。どんなもんかなと観に行った訳だけど、本当にめちゃめちゃ楽しませてもらいました。何がすごいって、登場人物の名前とか、一切覚えてないんだよね。インドネシア語ってのが耳に馴染みがないからってのもあるだろうけど。そんな状態でも心から、面白かった!と言えるってのが感動的ですらある。

 

 名前は覚えてないけれど、キャラ自体に魅力が無いかといえばそうでもなく。タフな主人公や、舞台の隊長はとてもかっこよかったし、なんといっても悪役が魅力的!麻薬王は、見た目こそ『ムトゥ・踊るマハラジャ』にでも出てきそうな顔しといて、ねっとりとした台詞回しとかちょっとした表情に邪悪さが出てて良い(予告で「住民の皆さん~」ていうアナウンスしてる人)し、彼のお気に入りの部下は二人ともキャラ立ちがはっきりしてて素敵。どう見ても「こいつ小物だろ…」って思ってたチビの方が範馬勇次郎かってくらい化物級に強くて笑っちゃった。名前、マッドドッグだっけな?たしか。

 

 他にも、並のアクション映画だったら主人公無双の餌食となってしまうような、その他大勢の皆さんが、けっこうデキる奴なのが面白い。いかにも東南アジアか、なんだったら地方の田舎のヤンキーみたいな格好した奴らが、武術を使って特殊部隊員と渡り合うさまがとても笑える。(ラインの入ったジャージやパーカー!!)なんだか俺は、自分が中学だった頃に友達だったヤンキーの奴らが強くなって闘ってる映像を見せられてるような気がして、胸を熱くさせてしまったよ。

 

 それと、特筆すべきは劇伴音楽。リンキン・パークのマイク・シノダが担当して、かっちょいい戦闘シーンに花を添えてくれます。更にはテーマ曲である『RAZORS.OUT』はデフトーンズのチノ・モレノがボーカルと、豪華でございます。


RAZORS.OUT (feat. Chino Moreno) (From "The Raid: Redemption")

 

 とにもかくにも制作陣の、カッコイイもん見せたるわ!っていう信念と情熱がビシビシ伝わってくる、最高の娯楽映画だと思います。色々と突っ込みどころもあるけれど、ラストシーンからスタッフロールまでの流れと、スタッフロール中で延々と流れる名も無き戦士たちに本当に感動したので、言い切ります。この映画大好き。

 

 以下はネタバレ感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 ・マッドドッグ先輩超やべえっすかっこいいっす。

 「銃は嫌いだ~」からの、ありがちすぎて寒い台詞も、主人公と兄、二人を敵に回してのバトルも、鎖を巻き上げる几帳面さも、蛍光灯首に突き刺さっても余裕で闘ってる姿も、倒れたあとも立ち上がってくるんじゃねえかってカメラワークも、全部最高。ここまでカッコ面白いキャラ久しぶりだ。見た目が全然かっこよくないのも笑えるし。この人はきっと最後の首折りは美学なんだろうなあ…。

 

 ・ラストのシークエンス!!!

 一緒に出ようという主人公に対して、兄貴の「ここからならお前を守れる」っていう台詞!!!ストーリー性は薄い、って書いといたけど、個人的にこういう兄弟ネタは大好きなので、うぉおおおおおかっけええええってなってた。背中を向けて立ち去る兄と弟、ガチャリと閉まる門、ドン!と映るタイトルからスタッフロールの流れ。もうほんとこれだけでね、全て許した。なんであのマンションふつーの人が住んでんのとか、麻薬王と汚職警官の流れ必要か?とか、色々許した。映画としての最後の盛り上がりはマッドドッグと兄弟の対決だもんね。

 

 見終わって、やりたいことを全力でやる、って本当奇跡みたいなもんだなーと思った。これは自分が素晴らしいと思っている事だ!っていう作り手の信念があれば、それだけで面白いものは創り出せるってこと。それを思い知らされた気がする。そういう意味で、こういう歪な創作物を僕は愛してる。つつけば色々文句垂れることはできるけど、この作品に関しては、それはしません。